翻訳メモリのペナルティとは、翻訳一致の信頼性から差し引く数値です。
翻訳一致とは、文書の原文分節と、翻訳メモリの原文分節の一致のことです。
SDL Trados Studio では、一致する分節が翻訳結果ウィンドウに表示されます。エディタウィンドウの分節ステータス列に、一致の信頼性を表す数字も表示されます。
原文文書の分節が翻訳メモリの原文分節と同じである場合、完全一致となり、一致の信頼性を表す数値は 100 %となりますが、
わずかな相違がある場合には、一致率にペナルティを適用することができます。たとえば、翻訳メモリの原文と文書の原文で書式が異なる場合にペナルティが適用されるように指定できます。
このようなペナルティは、[翻訳メモリと自動翻訳] > [ペナルティ]を選択して、言語ペアの設定で指定します。
次のように、他のペナルティも指定できます。
特定の翻訳メモリから取得したすべての翻訳にペナルティを適用できます。下のソースによるペナルティの項を参照してください。
フィルタを指定してペナルティを適用できます。下のフィルタ ペナルティの項を参照してください。
ペナルティが適用されると、エディタウィンドウが次のように変化します。
分節ステータス列の一致率が、100 %からペナルティを差し引いた数値になります。
ペナルティの種類は、一致率の横にアイコンで表示されます。
ペナルティ アイコンにマウス カーソルを置くと、ペナルティの説明が表示されます。
ペナルティは、結果の表示前に適用されます。ペナルティの適用によって一致率が下がり、一致が表示されなくなることもあります。
ペナルティ | アイコン | ペナルティが適用される理由 |
書式の欠落 | ![]() |
原文分節の一方 (翻訳メモリまたは文書の原文のいずれか) に、他方の原文分節にはない書式がある場合。 |
異なる書式 | ![]() |
翻訳メモリと文書の原文の書式が異なる場合。 |
複数の訳文 | ![]() |
文書の原文分節に、複数の完全一致があります。 |
自動ローカリゼーション | ![]() |
文書の原文テキストの値は異なるが、翻訳メモリ内の一致する日付または時刻、数字または単位と同じパターンであることを SDL Trados Studio が認識した場合。 認識済みトークン (日付、時刻、数字、単位) の自動置換と自動ローカリゼーションは、翻訳メモリで一致した原文分節が文書の原文分節と異なる日付、時刻、数字、単位を含む場合に発生します。翻訳メモリが適用されるとき、SDL Trados Studio は自動的に文書の原文分節の認識済みトークンを訳文分節の翻訳へ置換します。同時に、該当する要素の訳文分節での適切な書式と自動ローカリゼーションのペナルティを適用します。 このペナルティは、自動置換中のみに適用されます。日付、時刻、数字または単位が自動置換のページで自動的に置き換えられるかを指定します。 |
テキスト置換 | ![]() |
SDL Trados Studio が、文書の原文テキストと一致するけれども変数が異なるものが翻訳メモリにあることを認識した場合。 SDL Trados Studio は、翻訳メモリの分節を使用して、文書の分節に対する翻訳を生成し、テキスト置換によるペナルティを適用します。 変数は、翻訳メモリの設定の[変数]ダイアログ ボックスで定義できます。 |
フィルタ | ![]() |
フィルタ ペナルティが追加されています。たとえば、2 年以上前の翻訳にペナルティを適用することができます。 1 つの一致に複数のフィルタ ペナルティを指定することもできます。ペナルティ情報には、フィルタの名前も含まれます。 フィルタ ペナルティは、[翻訳メモリと自動翻訳]>[フィルタ]で指定します。 |
ソース | ![]() |
このフィルタと一致する場合、その翻訳メモリのすべての一致率にこのペナルティが適用されます。 ソースによるペナルティを使用することで、ある翻訳メモリに他の翻訳メモリより高い信頼性を持たせることができます。 ソースによるペナルティは、[翻訳メモリと自動翻訳]で指定します。 |
メモ |
WorldServer 10.4* から、すべての WorldServer パッケージには、パッケージに割り当てられた TM の WorldServer で設定された TM ペナルティが含まれています。 つまり、これは、WorldServer TM で各翻訳単位の本当の値がわかるようになり、WorldServer プロジェクト マネージャに提案される品質を考慮して、信頼性をよりよく評価できるということです。 |