Studio 2014 の新機能

以下、このリリースの新機能のいくつかをご紹介します。新機能または変更された機能の完全なリストと説明については、リリース ノートを参照してください。すばやく概要を確認するには、「A quick tour around SDL Trados Studio video」(SDL Trados Studio の概要ビデオ) をご覧ください。

 

close2.pngopen.pngコンテキスト リボン ナビゲーション: すっきりとしたクリーンなユーザー インターフェイス

Studio 2014 では、翻訳タスクを完了するために必要なコマンドをすばやく見つけられるように設計された、リボンタイプのナビゲーションを導入しています。以前の Studio バージョンのドロップダウン メニューとツールバーは、リボン インターフェイスにコンパクトにまとめられた、グループとタブに置き換えられています。

リボンには、現在のコンテキストで必要なコマンドのみが表示されます。これにより、乱雑さが減少し、最大の作業スペースが得られます。

リボンにより、Studio と頻繁に併用される Microsoft Office 製品とのギャップもなくなります。SDL Trados Studio と Microsoft Office 製品を切り替えながら使用するのが容易になります。

 

close2.pngopen.pngファイルの割り当て

Studio 2014 では、サーバー共有タイプのプロジェクトを完了するために必要な作業を整理できる、割り当て機能を導入しています。

ファイル ビューには、ファイル割り当てレイアウトに 1 つの余裕があり、そこからすべてのファイル割り当てを管理できます。割り当てにより、GroupShare プロジェクト内の各ファイルは、GroupShare ロールのメンバーである特定のユーザーのみが利用できるようになります。また、ユーザーにファイルの現在の翻訳フェーズ (準備、翻訳、レビューまたは確定) も示します。

割り当てられたユーザーは、現在のフェーズに対応する翻訳タスクを完了するために、プロジェクトと作業を同時に公開された GroupShare サーバーから担当ファイルをダウンロードします。ファイルをサーバーにアップロードして戻す前に、ユーザーはファイルを次の適切な翻訳フェーズに移行できます。

プロジェクト マネージャは、新しい翻訳フェーズに特有のタスクを完了できるユーザーにファイルを割り当てられます。

詳細については、「GroupShare の割り当てについて」を参照してください。

close2.pngopen.png統合された整合ツール  

SDL Trados Studio 2014 は、SDL Trados 2007 のレガシー整合ツール、WinAlign に替わる組み込み式整合ツールを備えています。

詳細については、「整合ツールについて」を参照してください。

close2.pngopen.png自動保存と自動復元

コンピュータに何かが起きた場合にバイリンガル ファイルの 1 つのバージョンをすばやく復元できるように、Studio では翻訳が自動的に保存されるようになりました。

ニーズに合うように、自動保存の頻度を調整できます。

詳細については、「自動保存について」を参照してください。

 

close2.pngopen.png自動訳語検索

Studio に、[Perform search if the TM lookup returns no results](翻訳メモリ検索で結果が返されない場合、検索を実行する) オプションが搭載されました。

この新しいオプションを有効にすると、翻訳メモリで現在の原文分節に対する一致が見つからない場合、Studio では訳語検索が実行されます。これにより、翻訳メモリの一致基準値に適合しない場合でも、Studio は自動的に翻訳メモリで部分一致を探します。

既定では、このオプションは無効になっています。訳語検索ウィンドウから有効にできます。

close2.pngopen.png仮想的なファイルの結合 - QuickMerge

いつでもファイル ビューでファイルを結合できるようになりました。

これは、新しいプロジェクトウィザードで物理的にファイルを結合できる既存のオプションを補完します。

1 つのファイルとして保存される、物理的に結合されたファイルと異なり、仮想的に結合されたファイルは翻訳後に元のファイルに分割して個々のファイルとして保存されます。

複数のファイルを仮想的に結合された 1 つのファイルに開くことで、スペルチェック、自動反映および検証などの機能の利点を最大限に利用することができ、Studio からエクスポートした後、ファイルを結合された状態で保持する必要がなく、最初に物理的に結合する必要もありません。

 

close2.pngopen.png新しい統合 API (コミュニティ テクノロジ プレビュー)

Studio は、SDL Trados Studio 統合 API と呼ばれる新しい API の最初のコミュニティ テクノロジ プレビュー (CTP) リリースを搭載しています。これにより、Studio とサードパーティ システムの間の統合が大きく強化されます。

開発者には、この API は、UI 要素を新しいリボンの[アドイン]タブに追加するなど、新しい種類の統合の構築を開始できることを意味します。また、新しいビューとビューのいくつかの部分をプラグインして、新しい方法で Studio のプロジェクトと Studio のユーザー インターフェイスを操作することもできます。

通常の 標準ユーザーの場合、この API は、SDL OpenExchange からダウンロードするプラグインを、使用しているバージョンの Studio に直接統合できることを意味しています。その後で、新しいリボンの[アドイン]タブからお気に入りのプラグインをアクティブ化してアクセスできます。

詳細については、[SDL のマイアカウント]にある「マイ アプリ」セクションを参照してください。

close2.pngopen.png向上した HTML フィルタ

Studio 2014 では、翻訳、レビューまたはリリース用に開いた HTML 文書を処理するために向上したフィルタを使用します。これには、HTML 4 と HTML 5 用の個別の設定を含み、HTML ファイルの種類の設定をカスタマイズするためのオプションを多数提供します。つまり、HTML 文書から翻訳のために抽出するコンテンツに対する制御が向上します。

Studio 2014 では、従来通り、以前のバージョンの Studio で作成した *.sdlxliff ファイルを処理します。新しい HTML フィルタは、Studio 2014 で開く新しい HTML 文書を処理します。

close2.pngopen.pngカスタマイズされた TM ユーザー ID

Studio では、各翻訳単位を翻訳メモリ ユーザー ID でタグ付けして、翻訳メモリで翻訳単位を追加または最後に編集したユーザーを追跡します。既定では、Studio は Windows ユーザー名を TM ユーザー ID として使用します。
ユーザーが翻訳メモリを更新したときにプロジェクト マネージャが識別しやすいように、この ID を識別しやすい ID と置き換えられるようになりました。

TM ID を変更できる[New TM User ID](新しい TM ユーザー ID) オプションは、[現在のユーザーの詳細]ページおよび[翻訳メモリの更新]ページで利用できます。

close2.pngopen.png繰り返し用の新しい表示フィルタ

SDL Trados Studio 2014 では、繰り返しの分節を処理するために表示フィルタの新しいセットが追加されています。重複フィルタは繰り返しと呼ばれるようになり、次の 3 つのフィルタ条件が利用できます。

  • すべて
  • 初出
  • 初出を除く

これらの新しい繰り返し条件は、[エディタ]ビューの[表示フィルタ]で確認できます。

 

 

close2.pngopen.pngステータス バーに表示されている現在のフィルタ

Studio では、ステータス バーに現在アクティブな表示フィルタを常に表示するようになりました。status_bar.png

アクティブなフィルタの名前をクリックして、[レビュー]タブにある新しい表示フィルタ グループに移動します。ここでは、表示フィルタ設定に変更を加えることができます。アクティブなフィルタにアクセスするための豊富なキーボード サポートも利用できます。

 

close2.pngopen.pngエディタで利用できる代替翻訳レイアウト

画面上部のエディタ ウィンドウおよび下部の[翻訳メモリ]ウィンドウと[用語]ウィンドウを使用するほうが翻訳しやすい場合、代替翻訳レイアウト が使用できるようになりました。 

新しいレイアウトでは、レビュー設定で利用できるウィンドウと一致するように、翻訳設定で利用できるウィンドウを再配置します。ウィンドウを移動して代替レイアウトをカスタマイズでき、いつでも既定の設定に戻ることもできます。

[エディタ]ビューの[表示]タブから、代替翻訳レイアウト にアクセスできます。

 

close2.pngopen.pngSDL WorldServer により向上した情報転送

  • WorldServer TM: WorldServer パッケージに添付された TM が Studio と WorldServer の間で一元的に共有されるようになりました。
  • WorldServer TM: WorldServer TM グループで利用できる TM が個々に Studio にリストされるようになりました。
  • WorldServer パッケージは、メタデータ情報 (プロジェクト属性およびファイル属性) も Studio に転送するようになりました。
  • WorldServer へのパッケージの返却: WorldServer システムで Studio からパッケージをワンクリックで返却できるようになりました。
  • [プロジェクト]ビュー: [サーバー]列に Studio で開かれている WorldServer プロジェクトについて、現在のサーバーの場所が表示されるようになりました。
  • QA Checker のプロファイル: WorldServer QA Checker 設定がパッケージを通じて Studio に通信されるようになりました。
  • TM ペナルティ: WorldServer で定義されたペナルティが Studio で利用できるようになりました。

close2.pngopen.pngMicrosoft Word 2007 ~ 2013 のコメントで作業するための新しいオプション

Word 文書から情報を抽出するために 2 つの新機能が追加されました。

  • コメントを翻訳対象テキストとして抽出
  • コメントを Studio コメントとして抽出

これらのオプションは Word 2007 ~ 2013 の設定にあります。

 

close2.pngopen.png用語ベースおよび TM 検索の向上

2 つの検索パラメータを調整して、用語ベースおよび TM 検索の結果を向上できるようになりました。

  • [用語ベース検索の設定]ページの用語認識基準値。これにより Studio は、同じ分節で最大 19 回発生する場合でも、すべての用語について用語認識を実行できます。
  • [TM 検索]ページでの [検索結果の上限数] 。これにより、結果の基準値を 49 ではなく、99 まで上げることができます。

 

close2.pngopen.png向上した一括処理の性能

このリリースでは、プロジェクトの準備中または初期のプロジェクト作成後に実行できる、一括処理タスクの性能を大幅に強化しました。これらのタスクは、通常、3 ~ 5 倍実行速度が向上します。あるシナリオで、ネットワーク共有からのファイルを使用する例では、これらのタスクの実行速度はそれよりかなり速くなります。

同様に、Studio が *.sdlxliff ファイルを保存する速度も通常 14 倍速くなりました。

close2.pngopen.png一括タスク処理の強化

一括タスク処理から得られる結果を強化するために、2 つの新しいオプションが追加されました。

  • [ファイルの解析]の設定の[Report locked segments as a separate category](ロックされている分節を別のカテゴリとしてレポートする) オプション
  • [一括翻訳]の設定の[完全一致をロックする]オプション 翻訳者に TM 内の完全一致をレビューまたは変更してほしくない場合は、このオプションを使用できます。また、完全一致が後から適用された TM で置き換えられないように、TM の完全一致をロックすることもできます。

 

close2.pngopen.pngAutoSuggest の変更

AutoSuggest 辞書の作成: 10,000 翻訳単位から辞書を作成できるようになりました。

 

close2.pngopen.pngファイルの追加機能の強化

ファイルを追加する機能が強化され、以下の方法でプロジェクトにすばやく新しいファイルを追加することができます。

  • [エディタ]ビューのナビゲーション ペインでファイルをドラッグ アンド ドロップする。
  • 訳文言語から翻訳用ファイルを追加する。プロジェクトの訳文言語を表示していて、翻訳用の新しいファイルを追加したい場合、新しいファイルを直ちにプロジェクトに追加できるように、Studio では自動的に原文言語に切り替わるようになりました。

 

close2.pngopen.png頭文字の自動置換

自動置換: 頭字語も自動置換できるようになりました。

 

close2.pngopen.pngサーバー タイプの TM への接続を無効にするオプション

プロジェクト パッケージの作成ウィザードに[サーバー タイプ翻訳メモリへのリンクを削除]オプションが追加されました。

パッケージを受け取る翻訳者またはレビュー担当者にサーバーへのアクセス権がない場合、サーバー タイプ TM への接続を無効にする必要がある場合があります。また、プロジェクト作成中に[準備]連続タスクが実行されたとき、通常、このリソースからの翻訳は既に活用されています。そのため、翻訳者またはレビュー担当者はこれらの接続の詳細が必要でなくなります。

close2.pngopen.pngエディタの強化

エディタには、2 つの新しい強化があります。

  • 翻訳を確定すると、すべてのロック済みの分節が自動的にスキップされるようになりました。
  • ロック ステータスが異なる複数の分節をロック/ロック解除する機能。これは、大きいファイルで作業していて、すべての分節を一度にロックまたはロック解除するときに便利で、各行または行のサブセットを 1 つずつ操作する必要がありません。Studio では、選択内にある最後の行の現在のロック ステータスが選択された行にあるすべての分節をロックまたはロック解除するかどうかを示しているとみなされます。選択内の最後の行がロックされている場合、Studio には、選択された行にあるすべての分節をロック解除するオプションが表示されます。逆に、選択内の最後の行がロック解除されている場合、選択された行にあるすべての分節をロックできます。

 

close2.pngopen.pngすべての種類の GroupShare プロジェクト ファイルに直ちに利用可能な表示機能

ファイルの種類に設定した埋め込み制限に関係なく、すべての翻訳対象 GroupShare プロジェクト ファイルをプレビューできるようになりました。最初に原文ファイルを手動でダウンロードする必要もありません。

close2.pngopen.pngRegulated Industries に対する強化

外部レビューのためにファイルをエクスポートするオプションが強化され、外部レビュー担当者が訳文の最終文書に加えた修正をインポートして Studio に戻し、SDL XLIFF 文書を更新できるようになりました。これにより、以降のプロジェクトで使用するために、TM を修正で更新できます。

close2.pngopen.png翻訳メモリの Trados 2007 との下位互換性

TM データを Studio からエクスポートするとき、そのデータを Trados 2007 に最適化された形式でエクスポートできます。この形式では、TMX ファイルのテキスト フィールドと属性が Trados 2007 の Workbench に正しくインポートされます。

TMX ファイルのデータをこの方法で形式設定するには、エクスポート ウィザードで、[Trados 2007 で使用するために、Workbench 用に最適化された TMX 形式にエクスポートする]オプションを選択します。

 

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項目:  公開: 2014 年 1 月 31 日